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【大阪タワー☆忘れたい人】
良心の呵責に苛まれ続けるブログです。



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まんまんちゃんごめんなさい
亡きお婆ちゃんが作る天ぷらは絶品だった。

カリッとしているわけでも、サクッとしているわけでもない。
衣をべっちょり付けて揚げるので、モチモチとした下品な感じ。
天ぷらは揚げるのに時間がかかるから、
立ち仕事がつらいお婆ちゃんは床にコンロをおいて座って揚げていた。

野菜、ちくわ、魚、その辺に生えている葉っぱ。
お婆ちゃんの手にかかればどんな食材でも、
手品のようにおいしい天ぷらに変身した。
天つゆなんかいらない。
衣に塩味がついているのでそのままアツアツを頬張った。

「お婆ちゃん、まだ~?」
僕が急かすと、
「もうちょっとで揚がるから待てやー。」
揚がったらすかさず食べた。どんどん食べた。
夕食用に作っているのに、つまみ食いが止まらなかった。

気がつけば、どこかで見たことのある葉っぱを揚げようとしている。
「あ、それ…。」
と言いかけて止まった。


僕はお婆ちゃんちから帰り際、
外に出た途端にオシッコがしたくなる子だった。
お母さんは、
「もう…、この子は…。」
と呆れながらも、
「まんまんちゃん(神様)にちゃんと謝るんよ。」
と言い、立ち小便を許可してくれた。
お婆ちゃんの家の前にあるわけのわからない不気味な葉っぱの上に、
オシッコを豪快に飛ばした。
できれば隅々まで行き渡るようにまんべんなく飛ばしながら、
「まんまんちゃんごめんなさい。」
を3回繰り返した。
それが幼い頃の立ち小便の掟だった。

で、話は戻るが、お婆ちゃんが揚げようとしていたのは、
まさしく僕がオシッコをかけた葉っぱだったのだ。
まさかこんな葉っぱが食べられると思わなかった。
「これ食べられるんか?」
とお婆ちゃんに尋ねた。
「なんでも食えるがな」
そう言いながらお婆ちゃんは豪快に笑った。
揚がりあがったまんまんちゃんの葉っぱをこわごわと食べてみた。
ウマい。
「お婆ちゃん! この葉っぱウマいわ!」
そう言ってからまた黙々と食べ続ける僕。
やっぱりお婆ちゃんは天ぷらの天才だ、と思った。


オシッコで育った葉っぱを食べる。
食物連鎖って、きっとこういうことなんだろうな。
そして、あの独特のうまい天ぷらはもう食えないのが残念だ。
でも、僕の体にはあの天ぷらの細胞が今でも流れているんだ。
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