【大阪タワー☆Reserved】
良心の呵責に苛まれ続けながら、消したい傷と残したい想い出を綴るだけのブログです。



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echo(エコー)
3月3日は、母方のお婆ちゃんの誕生日だった。
もし生きていれば100歳過ぎだったろう。

お婆ちゃんはタバコが好きだった。
いつも吸っていたのがecho。
「12(歳)の頃から吸ってたわ」と得意げに語るお婆ちゃんを、
母親が苦笑いしながら聞いていた。
昔は、喫煙者の女性の大半が売春婦だと決めつけられていたみたい。

昨日、安土で偶然echoを売っている自販機を見つけた。
迷わず購入した。

そういえば、お婆ちゃんの誕生日に、
タバコが体に悪いと知らずに、大量のechoをプレゼントしたっけ。

「こんな陰気なところじゃ、タバコでもふかしたいなぁ」
って、老人ホームに入ったお婆ちゃんは言ってたっけ。

脳硬塞で意識不明になって、余命わずかな時に見舞いに行った。
息をするだけで全く動かないお婆ちゃん。
鼻から通した痰を吸い取る管を抜く時だけ、苦痛の表情を見せた。
僕は、お婆ちゃんの手を握りながら大粒の涙を流した。
お婆ちゃんという存在を失うことへの悲しさから出た涙だ。

脳硬塞になる前、お婆ちゃんはすでにボケていたが、
何度も僕に聞いた。
「キミコ(母親のあだ名)は元気か?」
僕は答えられなかった。
もうすでに母親は肺癌で死んでいたから。

お婆ちゃんが死んだ夜は満月だった。
母親と同じだ。

僕は、お婆ちゃんの棺にechoとマッチを入れた。
火葬場の煙を見上げながら、
お婆ちゃんがタバコを吸っているんだなぁ、と思った。

誕生日が3月3日なのは、養女だから正確な誕生日がわからなくて、
キリのいい3月3日にした、とお婆ちゃんに聞いたことがある。

僕が今、吸っているechoの煙、
大空でお婆ちゃんの煙と混ざりあっているだろうか。


2005年03月05日14:52

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