【大阪タワー☆忘れたい人】
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許しを乞う
 かなり前から、どんな死に方が一番嫌か? を考えることがある。僕の場合、家庭はもう無いので、家族を殺されるのを見ながら自分も殺される……なんてことはない。辿り着いたのは、「殺さないで」と懇願しながら頭を銃で打ち抜かれる、劇画チックのようなもの。
 
 そんなことを思いながら、ふと思い出したのは以前描いた豆絵本。そして、本当に命乞いに似た死に方をした人がいたような? ってこと。記憶を辿っていくと、やはりそれはいた。母だ。

 母は、ピストルで撃たれたわけでも、命乞いをしたわけでもない。ただ、今際の際の最期の最期に、「許してくれ、許してくれ……」と僕に言うた。もう自分としての存在は遠い所へ逝ってしまっていたろうに。僕は、「ウン、ウン」と手を握って涙をぼたぼた垂らすだけだった。

 あの頃からずっとあの言葉は、「こんな人生の途中で、僕ら兄弟を放って逝くことを許してほしい」「哀しい家庭ですまなかった」だと理解していた。僕へのノートブックにもそう書いてあったから……。弟は思春期に、「なんで僕を生んだんや! 頼んでないぞ!」と、母に当たり散らした。これには僕も眉をひそめるしかなかった。後に聞いたところによると、弟と仲の良かった母方の従兄も、同じことを叔母さんに言ったそうだ。

 僕はといえば、毎日のように近所中に響き渡る声で喧嘩をしていた両親から、逃げるようにして部屋に閉じこもり、ラジカセの音で喧嘩の声をかき消そうとした。喧嘩が済んだ後で、母は何度か僕の所へ来て、父への怒りを述べた。僕は突き放すように、「あんなん(父)と結婚するからや」と言った。そうすると、母はいつも「そうやな……」と萎縮した。

 僕の突き放すような言葉にも最期に詫びていたのだろう、と思っていた。母の死後、僕はいつの間にか型枠解体工(通称:バラシ屋)になり、僕は再び、というか、ちゃんとしっかりタバコを吸うようになった。肉体労働者からタバコは切り離せない。でも、長い世界史のなかで、面倒な手間要らずな形のタバコが普及してほんの100年も経っていない。
 僕が子どもの頃は、伯父さんらのタバコの煙なんて気にしなかった。それが何年か前から副流煙だのどうのになって、生まれた時からそれをすり込まれている若い人が多数。タバコ悪は根拠がほぼあるけど、根拠がない血液型別の性格診断や占いのように、すり込まれている。タバコ悪と血液型は別物だけど、年寄りだって若い人らと同じだ。そんなに長生きしたら国が困るだろうに。

 いつの間にか、じゃなく、タバコをちゃんと吸うことを意識したのは、肉体労働者にまみれていたこともあるが、僕は母と同じく肺癌で死んでしまいたい、と思うようになっていたからだ。誰もタバコを吸わない家庭で、女性特有の肺癌になって死んだ母。僕は、限りなく母の境地に近づきたかった。だから肺癌になるのは怖くもなかったし、それになるつもりであった。
 人の苦しみを理解するには、限りなく同じ境地にならないと解らないからだ。苦しみを理解する必要なんて本当はないのだろうけど、あのとき母が許しを乞うた状態になって初めて、心から母を許せるんじゃないか、同じ状態にならねば許しを乞われる価値さえないんじゃないか、とさえ思っている。
 まあ、そのうちにタバコが美味しくてしょうがなくなったのもあるが。
 
 だけど僕は、母方特有の癌ではなく、父方特有の脳梗塞になった。母が今の僕を許さなかったのだろうか。または、母が僕を同じ目に遭わせるのを拒んだのだろうか。僕は死ぬ間際、逆に母へ許しを乞うことになるんじゃないか、と思う。そこでたぶんお互いの許しが混じり合うのだろう。


 お母さん、とうとう○歳になりました。ありがとうございます。あなたを「忘れたいけど憶い出せないのだ」と赤塚不二夫の漫画のセリフのように言えるようになれるでしょうか。あなたの境地に近づけるまで、僕は他人にクズだと思われても、まだ生きることを死ぬまであきらめません。

 
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