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【大阪タワー☆忘れたい人】
良心の呵責に苛まれ続けるブログです。



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向日葵と猫
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 ブイ(♀)を飼い始めてから、どうしても子どもを産ませたくなった。ブイの遺伝子を残したいから、なんて単純な理由。
 ブイが生後1年くらいの時に、まだ生後3ヶ月にも満たない野良猫、テン(♂)を捕獲した。お婿さん候補にと思って。
 ブイはテンを気に入ってくれるどころか激しく嫌がった。時間が2匹の溝を埋めてくれると信じていたが、それがなかなか……。

 ある日、友人の金田が、急な電話をしてきた。
「猫を拾ったから今からそっちへ持って行く」
「要らん! 持って来んといて!」
 うちにはすでに2匹いたので断ったが、僕の言葉を無視して青い瞳の白い猫(♂)がやって来た。一目惚れだった。僕はその子をQちゃんと名付けて飼うことにした。寝てばっかりで何をしても抵抗しない、大人しく立派な金玉の可愛い猫だった。金田に訊いたところによると、外環状線という大きな道の真ん中でQちゃんは踞っていたそうだ。

 ブイもなぜかQちゃんとは仲良くなった。花婿候補はQちゃんだな、と生後3~5ヶ月くらいの成長を見守った。
「早く大きくなって遺伝子残してくれよ」って。
 Qちゃんは交尾に成功した。間もなく3匹の子猫が生まれた。3匹の子どもたちは、無事に里親さんが見つかって貰われて行った。

 しばらくしてブイとQちゃんは、二度目の交尾をした。それから間もなくQちゃんは重い病気になった。僕が西成で動物の糞を踏んでしまった靴をちゃんと洗わなかったから、なにかの病原菌が玄関で寝るのが好きだったQちゃんに感染したのだろう。 運悪くアルビノであったQちゃんは、他の病気も併発した。
 闘病のため、Qちゃんを人間が3人くらい入れる、ランボルギーニの部品の分厚くてデカい段ボール箱に隔離したが、他の猫たちは心配になったのか、何度もその箱に侵入した。
 危険な状態が続いて毎日動物病院を往復したけど、最後のトイレを済ませたQちゃんはコテンと横になりピクピクと少し痙攣してから息絶えた。

 Qちゃんを詰めた小さな段ボールを淀川の河川敷に持って行って埋めた。乾いて雑草も生えてない部分の土の下に埋めた。好物の缶詰と、Qちゃんの遺骸が栄養となり花が咲いたらいいな、と思い向日葵の種もいっぱい埋めた。

 Qちゃんが死んだのが解っていたのか、ブイはその後、初めてテンと交尾をした。今度は5匹の子どもが生まれたが、テンの子なのかQちゃんの子なのか判らない。そのうちの1匹、タビ(♀)があまりにも可愛くて里親に出さず育てた。テンの子だと思うが、なぜかQちゃんの性格にとても似て大人しい。

 それからは墓参りなど行かなかった。大雨で流されたかも知れないし、何しろ僕はお墓が好きじゃないからだ。
 2年ほど経って、阪急電車に乗り座席に座ることもできず帰り道の梅田駅へ向かった時のこと。Qちゃんを埋めた場所をふと思い出して窓から淀川河川敷を眺めた。雑草と乾涸びた土の場所に黄色い部分がわんさかあった。
 まさかと思い、途中下車して1つ前の駅へ戻り、Qちゃんのお墓へ直行した。確かにQちゃんを埋めた場所のそこだけに、黄色い向日葵が咲き乱れていた。Qちゃんの命は向日葵になって生き続けていたのだ。

「Qちゃん、また来るからな。またお前を見せてくれよ」
 心の中で呟きながらその場所を去った。

 それから1年後、またQちゃんの化身である向日葵を確かめに行った。向日葵は少なくなっていて、その横にはホームレスの家が建ててあった……。
「やはり花がある場所に誰もが憩いを求めるんだな」
 ボロッちいホームレスの家に唖然としたけど、Qちゃんは死してなお、誰かに癒しを与える存在になっていることが分かって思わずニヤリとした。

 死んでも命や願い、魂は永遠に繋がるんだ。
 また向日葵の季節に、Qちゃんが咲いていたらいいな。
 Qちゃん、お前の遺伝子まだまだ続くよ。


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