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【大阪タワー☆忘れたい人】
良心の呵責に苛まれ続けるブログです。



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僕は虹を追いかけたことがある。



母親が入院していた病院は、高梁川(たかはしがわ)のそばだった。
ある日、病室の窓から大きな虹が2つ見えた。
高梁川のすぐそばに見えた。
本当に近いところに虹が見えた。


あまりにも近くに見えるので、虹のたもとまで行けるんじゃないかと思った。
母に虹を見てくると告げると、僕は高梁川の方まで歩いていった。
病室の窓からはたぶん母が歩いていく僕を見ていた。


大きな大きなくっきりと空に浮かぶ2つの虹は、
今にも手が届きそうなぐらい近くにあった。
僕は歩き続けた。


高梁川のところまで行けば、虹のたもとが見られるんじゃないかと歩き続けた。
歩けば歩くほど、虹は遠く薄くなっていった。


高梁川まで辿り着くと、虹はまだその向こうにあった。
僕はあきらめて病院へ引き返した。



病室に戻ると、虹を追いかけてくると言って出ていった息子を、母が笑って出迎えた。
「あんなに近くに見えるのに‥」
窓からはまだうっすらと虹が見えた。




母が亡くなった夕方、虹が見えた方向の上空の雲の間から光が降りていた。
降りていたのではなく、あれは母が昇っていく光だったのかもしれない。



「恋とは虹を追いかけるようなもの」と言っていた人がいた。
虹を追いかける僕の姿は、風車に挑むドンキホーテのように愚かに見えただろうか。
現在の僕は、あの窓からどう見えているんだろうか。


僕はまだまだ「虹」という欲望を追いかけています。
まだまだ虹のたもとにも辿り着けないようです。



2001年5月15日   2日過ぎてしまった母の日と、今日の母の誕生日に添えて

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