FC2ブログ
【大阪タワー☆忘れたい人】
良心の呵責に苛まれ続けるブログです。



 ようこそお越し下さいました。どうもありがとうございます。ごゆっくりしていって下さい。
※ご読了後に、各記事の右下にある「拍手」ボタンを押してもらえるとぬか喜びします。読んでもらえてるんだ、と実感します。コメントなんて特に要りませんから、過去記事にもお気軽にクリックしていただけると幸いです(これは、あらゆるランキングとかアクセス解析とかに全く関係ありません。単なる自己満足です)。


スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
つるやパンのサラダパン
 取材で遠くまで行ってきた。滋賀県木之本町。JRの策略(?)で「木本」という駅名になっているところだ。 ※参照MAP 

100_1316.jpg

↑ちなみに大阪からの片道運賃はこちら

100_1317.jpg

↑乗り換えなしで行ける電車がちょうどなくて、長浜駅で40分ちょい待ち(涙)


 結局、片道2時間半かかりました。ダイヤ改正で「敦賀行き」の新快速が登場したから敦賀が賑わう(?)なんて記事を見かけたことがありますが、たぶん無理です。だって新幹線で東京へ行く方がよっぽど楽だもん! でも、湖北の人々にはそれなりに喜ばれているようで何より。

 話が逸れた。名物であるサラダパンなどの取材へ行ったのだ。
100_1327.jpg

↑これがサラダパン。パッケージはおじいさん(初代)がデザイン。文字がイカす!

 JR木ノ本駅の踏切あたりから、すごくなだらかな坂道を上がっていくと、木之本地蔵院の近くに目的のパン屋さん『つるやパン』はあった。

100_1332.jpg

↑看板は特注の鋳物で出来ている

100_1321.jpg

名物サラダパンのアピールは意外と控えめ


 mixiにて、つるやパンの三代目さんの存在は知っていたので、mixiメッセージでアポ入れしてから電話をしたら、三代目さんに「に.ら.さんですか?(笑)」と言われた僕(笑)。「はい、に.ら.です(笑)」と返答した。そんなこんなで三代目さんとお会いできて感激でまた太ったがな! 三代目さんは男前でナイスガイ。しかも取材受け慣れしておられるうえ、mixiでお互いに知っていた存在ということもあって楽しく取材&撮影できた。

 カメラマンさんは撮影の量が多いので大変だったろうけど、いい仕事をしてくださった。サラダパンの考案者であるおばあちゃんにもお会いできたし、下記のように記念写真も撮れたし(笑)。mixiの御縁だ。

100_1329.jpg

↑僕より背の高い人と接することがあまりないので珍しい写真かも


 パンのことやらいろんなお話が聞けた。
 戦後、パンというものが何かよくわかってないのに「これからは小麦粉の時代」と言われ、パン屋さんを始めたおじいさん(初代)のお話とか。サラダパンは最初、たくあんではなくキャベツを入れたコールスローサラダなので、サラダパンと命名したとか。おばあちゃんが行商のように売り歩くうちに、キャベツの水分が出てしまいパンの味が落ちるので、代わりにたくあんを入れてみたらこれが大成功だったとか。

 とにかく、おじいさんがデザインした「サラダパン」と「つるやパン」のロゴのTシャツ作ってほしい、って言ったら、三代目も「もうそろそろ(作り時)かな?って思ってたんですよ!」って(笑)。

 サラダパンが有名だけど、人気No.1はサンドウィッチらしい。サンドウィッチは、丸いパンに魚肉ソーセージとマヨネーズだけというシンプルなものだ。丸いパンのサンドウィッチというだけでも珍しいこの品、毎日欠かさず食べてるお客さんも多いのだとか。食べてみると、パンがふぅんわり! で、味はシンプル。懐かしくおいしい。これがたったの105円! 魚肉ソーセージの成り立ちを知らない世代でも郷愁を感じる味のはずだ。
 しかも、サンドウィッチのパッケージもやたらカッコイイ。これもぜひTシャツにしてほしい! 僕はデブッチョなので、シャツのサイズはXL以上で!(ちなみに普段は4LのTシャツ着てます……) シャツの色は、白だとデブは汗で生地が透けてしまうから、黒で。いや、お店の人も着るとなると、商いのスタッフらしい紺色がいいかな!(以上、呟き)

 レーズンから培養した自家製イースト菌で作っている「大地パン」とかもあるし、お土産に最適ないろんな味のラスクもおいしー&たのしー。懐かしい味から今どきのギャルが喜びそうな味、甘党オヤジに絶大な人気の味、毎日食べ飽きない味、パンにはちょっとうるさいパン通グルメまでを唸らせるような味がいっぱいだった。
 それに三代目さんが、何よりもおじいさんを尊敬、敬愛しておられるのがひしひしと伝わってきた。三代目さんは口には出さなかったが、初代の伝統の受け継ぎ、守り、そして変な野望もなく地域密着型で、それでいて伝統の味と自分が考案した味を世間に味わってもらいたい、という信念と誇りを感じた。パンに対する情熱と愛情を感じた。

 取材してて面白いという感覚は僕にしては珍しいことなのだが、つるやパンはなにもかもがよかった。ぜひ現地にて焼きたてが揃う14時に購入し皆に食べてもらいたい(店前や店奥に食べるスペースが少しあります)。ネット通販では販売していない季節限定のパンもあるし。遠くて無理な人は、仲間で商品をチョイスしてネット通販で共同購入を!

 帰り際に「おみや」をいただいてホクホクで帰宅。
 つるやパンの皆さん、本当にありがとうございました。

 100_1335.jpg

木ノ本駅で、1時間に2本の電車を待つのが慣れてない者には厳しい?


【おまけ動画】
僕が覆面実食をしました。台詞も何も考えてなかったのでダラダラのうえ、怪しくてですいません!



※追記:サラダパンとサンドウィッチは、断腸の思いで7月より120円に値上げしたそうです。詳しくは、つるやパンさんのネット通販サイトをご覧ください。



※サラダパンその後!

  
 
スポンサーサイト
超大物有名人に遭遇で冷や汗の巻
(注)2006年11月28日02:41に書いた日記です。


 朝9:15に集合して六甲アイランドの某ホテルにあるお店へ取材。北京ダックなどを撮影。味見したら全然おいしくなかった。大丈夫かあのお店……。

 11:30に取材撮影終了して、13:30に日本橋(にっぽんばし。※東京は“にほんばし”)へ向かう予定だったのだが、『◎◎』という雑誌のおでん屋さん突撃アポのために僕は梅田で車から降ろしてもらった。カメラマンさんだけ日本橋へ向かわせて、1カットだけ撮ってくるように指示。僕は某おでん屋さんのランチタイムに突撃。

 何故に突撃アポをしなけりゃいけないかというと、『◎◎』の知名度があまりにも低いのと、老舗だけに電話アポだけでは済まないということ、今週中に即撮影だということ……などなどがある。まあ、アポなし取材よりマシか……。


 ざっくりと言い切ってしまえば、昔の関西人はおでんのことを関東煮(かんとだき)というのだが、このお店は森繁さんが来店した際に「関西煮(かんさいだき)」と名付けた曰く付き。おまけに『美味しんぼ79巻』にも登場している……。

 まず地図で調べたお店を見つけて中の様子をうかがう。お客が居たので引けるまで出待ち(?)。お店の前に昼食おでん4品とビール付き800円と書いてあった。夜はかなりお高いと聞いていたのだが、昼に突撃しようとしてたのは正解だったようだ。僕は食べたものに関しては領収証を切ってもらわない主義なので安い方が助かる。とにかく近くのコンビニへ行き、お客が引けるのを待った。

 13:10になってもさっき居たお客が引ける様子がなく、ラストオーダーが13:30だと電話で聞いたので仕方なく突撃開始。僕が食べてるうちに引けるだろうと。

 店内に入るととにかく狭い。いや、いい意味でこぢんまり。カウンターかテーブルかどっちでもいいと言われたので、1人である僕はカウンターへ着席。コートを脱ぐ際に後ろを振り向いてお客の顔を見たら……








なんと








安藤忠雄!(敬称略)





よりによって世界のアンドータダオて……。アンドゥトゥルワー! アンドゥトゥルワー!(泣)



 人懐っこいけど物凄いえげつない関西弁&地鳴りのようなお声でよそのお客と会話していた。「石原慎太郎がなんたらかんたら!」とか……。慎太郎と友だちなんだろうね……。それにしてもガクブルの状況というかなんというか。僕は後ろを振り返らないようにした。4品選んで注文したら、ご飯とお汁と漬物と羊羹が出てきた。どうやらビールを注文しなかった人には羊羹が出るらしい。ご飯はお替わり自由で、たぶんおでんの出汁で炊いた飯だった。
【注釈】ビールは注文すればサービスらしい。ビールも飲めるし羊羹も食える。

 アンドゥーさんはあいかわらず捲し立てていた。「NHKみたいなもんはなんたらかんたら!」とか……。でも、尊敬してますよ! 僕は時折、店主に話しかけたり眺めたりしていた。おいしいけどなんだかアンドゥーさんのお声でウマさ半減(泣)。店主は、阪急やら阪神やらの百貨店でも材料の仕入れをしているとアンドゥーさんなどに言っていた。ほとんどすべて手作りのおでんダネらしいけど、山岡士郎が自慢するほどなのかどうかよくわからなかった……。う~む……。僕が味音痴なのかもしれない。おでんは知れば知る程わからないものになった。単純なようで奥が深すぎてようわからん……。

 とにかくアンドゥーさんが帰る様子もなかったので、
「雑誌の者ですけどまた後で出直してきますわ」
 と言うたら、店主が引き止めて僕の話を聞いてくれた。
「(安藤)先生、居たはるさかいに後でええですわ」
 と言ったのだが、
「常連やさかいに(笑)」
 と気さくに話してくださった。僕はとにかくアンドゥーさんに聞こえないようにヒソヒソと説明。
「うちは週刊誌やったら(取材)受けへんのですけどね」
 というわけでOKもらった! 
「ほんで(撮影は)今からでっか?」
 とおっしゃるのずっこけた(笑)。それは無理だってば! とにかく今週木曜11:20(?)のNHK生放送(?)がある日以外やったらOKということで店を出た。
【訂正】11/30(木)AM11:00頃からの関西ローカルらしい。生放送ではないそうだ。

 それからそれから、15:00スタートの取材が駅前ビルであるので、そこまで20分程歩いて汗だく……。途中で某編集プロダクションTの社長様が前払いで振り込んでくれたギャラを銀行でおろした。今日、ケータイ電話代払わないと明日から電話ストップするとこだったよ! Tの社長様に感謝!(涙)

 日本橋で撮影してるはずのカメラマンさんが、なかなか来ないので先に取材に入った。しかしながら僕は、さっきのアンドゥーショックの冷や汗と歩き汗で意気消沈。カメラマンさんが来て撮影を終えた後に、撮影したのと同じ○○鍋を食べさせてもらったのだが、美味しくなかった……。むしろマズくてほとんど食えなかった。でも、カメラマンさんはウマいウマいと言ってた……。半分以上残して帰ったけど……。

 その後、電車で移動して仕事場へ入り、いろいろな作業。とにかくこの年末進行スケジュールで忙しい時に、急な撮影をやってくれる腕のいいカメラマンさんがいないので、電話で悪戦苦闘した。それをやりながらメールチェックやら画像のチェックやらネタや企画書のプリントアウトやらT出版社への質問やら……。気づいたら21:15だった。

 とにかく今日中に突撃アポをあと2軒したかったので、手の空いてるカメラマンさんを目的のおでん屋さんへ呼びつけた。そこで取材撮影依頼をしようとしたが、お客が多すぎたので、雑誌だけ渡して「閉店後にまた来ます」と言った。

 カメラマンさんと近くのカフェへ行き、まず雑誌の説明。カメラマンさんも『◎◎』を知らなかった……。こんな知名度で名店ばかりを載せようとするT出版社は、もうちょっと考えろ!(泣) おまけにスケジュールがタイトすぎるんだよ!(泣) 来週の水曜日までにポジフィルムで納品て!(こら!) 今どきフィルムかよ! 普通、デジだろ! とにもかくにも、どの曜日のどの時間にカメラマンさんが空いてるかを訊く僕であった。

 閉店後のおでん屋さんに行ったら、さっき店主が別店へ移動したというので、別店へ電話。即OKの返事もらう。一応、明日に説明の電話を23時頃にしなきゃ。

 カメラマンさんの車をフルに使って(要は使いっ走り?)、靭公園付近のおでん屋さんへ移動。で、突撃! しかしながらお店のシャッターが降りてた……。電話をしたら、転送されて店主が出てくれた。やっぱり『◎◎』を知らなくて、広告営業か?と疑われた。しかし、いろいろ説明したらOKもらえた! ホントに明後日の水曜日に取材撮影でいいの?(笑)

 時計を見ると24:00を過ぎていたので、カメラマンさんに家の近所まで送ってもらった。で、ネコのトイレ掃除して、アマゾンから大量に届いた業田良家のマンガ本をチェックして今に至る……。

 皆さん、生きて行くのは途方もなく無謀なことです。
うなぎ屋の教訓
20070408195002.jpg


近所のちっぽけな商店街に、うなぎ屋がある。

厳密にいうと『まむし』と書いてあるので、まむし屋かもしれない。
関西、主に大阪の古いお店などは、
「うなぎ」のことを「まむし」と呼ぶ。
うなぎが蛇のマムシに似ているからという理由でもないみたい。
(うな丼は、米にうなぎを“まぶし”ているからという説もある。)

このうなぎ屋はテイクアウト専門で、とても小さい。
商店街のなかでも最も小さい店じゃないかな。
うなぎを焼く煙で、あちこちが黒くすすけているし、
はっきり言って汚くてボロボロ。

でも、ここのうなぎ屋で「売れ残り」を見たことがない。
炭火の魔術ともいうべき美味しさだから、人気が衰えることはない。
いや、人気というよりも名物というか当たり前の結果なのだ。

この店で売るのはうなぎの蒲焼きのみ。
うなぎの重さで値段が決まる。
値段が安いわけではない。だいたい1匹1000円前後。
たまに肝焼きもあるが、すぐ売り切れるので僕はありついたことがない。

僕が今の家に住むずっと昔から、この店はあったのだろう。
店のおじさんは1日中、途切れることなく
うなぎをさばいては焼いている。
その作業の繰り返し。

うなぎ屋を始めた頃は、例えていうなら「攻め」だったろう。
だが、今日まで持続させた力は「守り」というべきか。

攻めるばかりのことは、勢いさえあれば大抵のことはできる。
しかし、守って持続させることの方が難しい。
これを伝統というのだろう。


伝統の味は、「守る」ことの大切さを考えさせられる味である。
お店も繁盛しているのだから、もっと規模を大きくできたろうし、
もっと楽をして儲かる方法もあっただろう。

しかしこのお店は、じっとそこに腰を据えている。
ひたすら、うなぎをさばいて焼いているだけ。
実はこの行為、伝統を「守る」だけではなく、
じんわりと「攻め」なのだ。

ただ守ってきただけではないのだ。
伝統の味というべきタレは、開店当初から守られてきた歴史の味だ。

うなぎを焼いてはタレに漬ける。
そして、タレにはうなぎの旨味が蓄積される。
うなぎを焼けば焼くほど、だんだん旨味が増してゆく。
これからもこのうなぎ屋の味は永遠にプラスに向かうだろう。

うなぎの味を維持することは簡単ではない。
うなぎの仕入れ値のこともあるだろうし、
天候による売れ行きや家庭のいざこざもあるだろう。
それでも、うなぎの味だけは崩さない姿勢。
クオリティの高いものを常に出し続ける姿勢。
これは絶対に「単純作業」なんかではない。

大袈裟にいえば、これが日本国に求められる姿勢じゃないだろうか。
これが仕事に求められる姿勢ではないだろうか。
これが自分の求めている姿勢ではないだろうか。

お店を大きくしてしまい、ツギハギだらけで借金まみれの日本という国。
攻めに攻めた結果がこの有り様だ。
経済大国なんて言葉を裏返して見ると、
「知人が家に来る時だけ片付ける行為」のような、
その場しのぎのものなんじゃないかな。
「突貫工事で何時潰れるかわからない建物」なんじゃないかな。

だから、このうなぎ屋の前を通るたびに思うのだ。
どっしり腰を据え、味にプライドを持って仕事をしたい、生きたいと。

 

2005年08月23日22:09
うどん屋で見つけた人生の真実
28001536_234.jpg
28001536_86.jpg
28001536_10.jpg



後輩、いや、もう既に友人と呼んだ方が正しいが、
その友人のお父さんが電鉄会社から脱サラして、
うどん屋さんを始めて1年以上が経った。

なかなか食べに行く機会がなかったのだが、
先週の金曜日に思い切って行ってみたので報告したい。


たとえ友人のお父さんであろうが、
うどんそのものに問題があったら
歯に衣着せずにヒトコト言ってやろうと目論んでいた。
こちらも仕事で何百軒と飲食店を取材してきたのだ。
プライベートでも数え切れないほど食べ歩いたし、
うどんの取材では高松を練り歩いたこともある。
それに僕のお婆ちゃんはうどん屋で働いていたので、うどんの味にはうるさい。
死んだ母もこよなくうどんを愛していたので、
うどんに関しては「血筋」みたいなものがあると思う。

僕は気に入ったお店ならいつまでも贔屓にするが、
気に入らないお店では料理を見ただけで旨いか不味いかぐらい自慢じゃないが判断できる。
昔は不味いものでも「全部平らげなければならない。失礼だ」
というライターとしての使命感があったので吐き出すほど食べていたが、
今では不味そうなものは、たとえ広告の仕事であっても一切口にしない主義だ。

僕は飲食するのに相応しくないタバコを吸うけども、舌にはプライドがある。
実はタバコを吸わないと、普段の自炊以外では舌が化学調味料や添加物などに過敏に反応してしまうのだ……。
タバコを吸っても反応しているんだけども。
とにかく友人のためにも一家言はする腹づもりで目的のうどん屋さんへ向かった。


到着して、店に入り友人の御両親に挨拶してから、
まず、『きつねうどん定食』を注文した。
きつねうどんは僕の好物というだけでなく、
うどん屋の良し悪しを判断する絶好の品だと思う。
油揚げと出汁と麺が一体となった時に初めて美しい味のハーモニーを醸し出す代物だ。

よく、うどん屋さんは
「まず、打ち立ての麺を生醤油でお召し上がりください」などと言うが、
そういうものはよっぽどひどい材料と打ち方・茹で方でないかぎり、
ある程度以上は旨いに決まっているし、
そういうものを食べたければ、うどんの本場の四国などへ行けばいいと思う。
いまや「豚丼屋」になってしまった『なか卯』でも十分だ。


定食にはゴハンかオニギリなどを選べることになっていたが、
迷わずオニギリを選んだ。
オニギリはそのお店の「良心」を反映する食べ物だと思う。
握り方や形だけでお店そのものの志がわかるというわけだ。


で、『きつねうどん定食』が出てきていきなり驚いた。
うどんは油揚げの大きさで麺が見えないほどで、
オニギリは白米じゃなく、鮭(シャケ)などを混ぜた、
かやくごはん的なオニギリだったからだ。
これでオニギリひとつをとっても手間ひまかけているのがわかった。
それにしても定食に付けるにしては贅沢すぎる。
とにかく先制攻撃で一本取られた。

そして、うどんに口をつけた。
「まずはスープや出汁から…」なんて、通ぶったことを僕はしない。
そんなことは麺に絡み付いてくる味でわかるはずだから。

麺を箸でつまんで「あれっ?」と思った。
注文の際に「太麺か?細麺か?」を訊ねられたので、
きつねうどんに合う太麺を頼んだはずなのに細かったからだ。
これが後で僕の思い違いだったと気づくのだが……。

「まあ、聞き間違いもあるさ…」と思って麺を食べた。
喉ごしや良し。噛みごたえ良し。風味良し。出汁との調和良し。
最初は「出汁が薄いかな?」と思ったのだが、
この太さの麺にはこの程度の出汁の風味が実にいい塩梅だ。

僕が思っている(極)太麺は、出汁の風味を強くしないと麺が負けてしまうし、
出汁が強すぎると少し下品な食い物になってしまう。
三重の名物で極太の『伊勢うどん』なんかがいい例だ。
あれなんか出汁というよりタレに近い。
『伊勢うどん』よりずっと太い麺を出す店が京都にあるが、
あれは悪く言えばキワモノ。


次に油揚げを食べてみた。
大きいわりには色が薄いので、味がほとんどついてないかと思いきや、
ジュワッと美味しい味付けが口に広がり、旨味を閉じ込めた逸品だった。
しかも、次に出汁を飲んだのだが、油揚げの味付けが出汁の風味を侵略していないのに驚いた。

僕が住んでた近所はうどん屋さんに恵まれていたのだが、
なかでも今では美味しいと評判で有名になってしまった
『やとう』というお店さえも、きつねうどんの油揚げが
出汁を甘くしてしまって残念だなぁと思っていたのに! (それがいいという見方もあるが)


ここで本題から外れるが、僕は『やとう』には開店当初から通っていた。
情熱をそそぎすぎて空回りし、1年ぐらいは繁盛していないお店だった。
立地条件の悪さもあったのだが、素人商売の感は否めなかった。
もちろん僕は実力を認めていたので通っていたのだが。
『やとう』は定食に工夫を凝らすことにより近所にいる人たちが通うようになった。
「自分の縄張りは教えたくない」という僕の気持ちとは裏腹に、
その後、雑誌で紹介されたために有名店になってしまった。
雑誌で紹介されると、また違う雑誌がそれを読んで取材するパターンが発生した。
読者もマスコミもミーハーで単純なのだ。
もちろん努力により実力も上げたので、今では大阪で5本の指に入るお店になったと思う。
逆にそうなってしまったために僕の足は遠のいてしまった。
混んでいる店は苦手なのだ……。
そのうえ、今でも僕の職業はお店の人には内緒にしている。
なぜなら、「構えられる」と辛いから。普段通りのモノを愉しみたいから。
その分、うどんのことではなくメニューのこととかを意見させてもらった。
真摯に受けとめてくださったようで、僕は少しほくそ笑んでいる。
今でも繁盛しているのは、お客さんの舌が鉛ではないということだろう。



本題に戻る。
きつねうどんの出汁は全部飲み干した。
出汁やスープが不味いお店なら、いっぱい残してあげるのが基本。
「なぜ残したのか?」のヒントを与えてあげるのが僕流なのだ。ちょっと偉そうに言うけども…。

定食は舌もお腹も満足できるものだった。
完成品だと言ってもいいのじゃないかな。
でも、一日に何軒も食って廻ってきた僕の胃袋はタフネス!
発情期のネコ並みに欲求を抑え切れないのだ。
結果、違うものも食べたくなってしまった。
そこで、ここはあっさり食べられる『ざるうどん』を注文。麺は太麺をオーダー。

「大盛りにしますか?」と言われたが、断ってしまった。
これが僕の失敗。
この店は、大盛りでも追加料金を取らないことを後で知ったからだ。
なんて良心的! というか素晴らしい!


注文した『ざるうどん』を来て慌てた。
少し細いと思っていたのが、実は太麺だとわかったからだ。
さらに細い麺があるということなのだ。
そこで『ざるうどん』は細麺でオーダーすべきだったと後悔。
太麺が好きな僕だが、さすがに2杯目はあっさりしたものが食べたかったから、
細麺にしておけばもっとあっさり食べられたのに!(笑)

とにかく食べてみた。
最初は薬味を入れないで、だんだんと入れていくのが僕としては愉しい。
蕎麦でも同じだ。
ココまで読んでくれた人なら、味は言わずともわかるでしょ?
とにかくおろし立ての生姜は、一服の清涼剤だ。
清々しい味に満足。


そこに追い討ちが来た。
「“ぶっかけ”食べてみはりますか?」って。
ここでひるむのは胃袋の鬼としてのプライドが許さないし、
ぜひ細麺を食べてみたかったので二つ返事で快諾。
『温玉ぶっかけ』を食べることになった。
これは、温泉たまごもお肉ものっていてスタミナ抜群。夏バテにピッタリ。
[↑なんだかお店の宣伝みたいになってきなぁ…(笑)]

しかも細麺なのであっさりと食べられる。
3杯目なのに苦にならない。
それにしても単純なメニュー名の品にさえも工夫が凝らしてある。
メニューをよく見ると、
『うなわさ丼定食』だの『月見うなとろ丼定食』だの
まだまだいっぱい食べてみたいメニューがあった。


お店の印象だが、外観は飾り気なく威厳さえもあるのに入りやすそうな店構え。
道路からでは見つけにくいのが難点なんだけど(苦笑)。
店内には、新聞や雑誌も充実していてテレビも置いてあるが、
大衆食堂のような下品さはない。むしろ素朴な気品がある。
おまけに座敷もあるので家族で来てもくつろげる感じ。


接客態度もセリフも感情がこもっていたので、
見ていて気持ちいいし、居心地がいい。お世辞抜きで。
僕はかつてモンゴル料理店で働いていたので、
厨房のことや接客も多少は心得ているつもりなのだが、
友人のお母さんは「立ち位置」さえもちゃんと心得ておられた。
僕独りでおもむいたのに、幸せな気分になれた。


僕は常々、仕事というものは、
「人のためになる仕事」と「人を愉しませる仕事」の2つに分かれると明言してきた。
接客商売というものはモンゴル料理店で経験しているが、
そこでは恩人というか兄貴分のモンゴル人と共に「国際交流」という大義名分のもとで、
ボランティア的な気分で働いていたのではないかとさえ少し思う。

仕事というのは、お金を稼ぐための手段であって、
生きる目的であってならないとどこかで書いたこともある。
でも、仕事が生き甲斐だという人は尊敬に値する。


そこでこのうどん屋さん。
「人のためになる仕事」と「人を愉しませる仕事」を同時にこなしているではないか!
舌や胃袋を満足させてくれたうえに、気分まで豊かにしてくれた。
おまけに接客している方も生き生きとして愉しそうだ。

これこそ人としての存在の意義ではないだろうか。
これこそ真実の人生のあり方ではないだろうか……。
僕がこんなに長い文章を書いて宣っているのは、
心から感動し、良い意味でのショックを受けたからだ。



脱サラしてお店を構えたという、これまでの御夫婦のストーリーの一部を
知っているからこそ、こんなにも感激しているのかもしれないが、
一見のお客さんの舌と心にも十分響く味だと確信している。
まだまだ改善したり進化してゆくであろうこのお店にまた来たいし、期待している。

夫婦というものはこうであるべきだと確信もできたし、
家族というものに懐疑的で嫌悪感さえ持っている
独身主義の僕から見ても「うらやましい」と思える御夫婦だった。

このお店の御夫婦のほんの一部であろうが、
真っ当な人生の一端を見せられ、そして魅せられた。
絶望していた僕の人生に一筋の光が見えた。

素晴らしいうどんと、そのうどんを提供する御夫婦、
そしてそんな御夫婦の子である友人と出逢えたことを誇りに思う。




********************************************

■自家製麺 うどんの『索べい』
住所:大阪府堺市中之町西1-1-10 堀ビル1階
電話:072-224-5139
営業時間:11:00~14:30、17:00~22:00
定休日:日曜、祝日



2005年07月25日06:45
27696729_57-1.jpg

27696729_42.jpg

びっくりラーメン
20887923_121.jpg



食中毒のため心身共に調子が悪く、
ほとんど何も食べられない状態が続いた。
でも、あっさりしたラーメンなら、
『びっくりラーメン』のスープなら飲めると思い食べに行った。
期待通りに完食できた。
「あそこは化学調味料がどうの」とか、
「食べたいほどおいしくない」とか聞くが、
1杯たったの189円で病人&貧乏人を満足させてくれる店は素晴らしい。
それに化学調味料は、わかっていて食べるのなら嫌いじゃない。

約8年弱前にオープンした幻の1号店に行ったことがある。
カウンター10席もない店で、大してうまくもないチープなラーメン。
「こんな店はすぐに潰れる」と思っていたら、続々と新店がオープン。
今や年商31億円らしい。

僕はその間にどれだけ稼ぐことができたろうか。
僕はその間に何ができたのだろうか。
何一つ成し遂げていないような気がしてきた…。

みんなも苦しい時は『びっくりラーメン』を心して食べるべきだ。


■びっくりラーメン『ラーメン一番』
http://www.ramen1ban.co.jp/



2005年06月10日05:31
copyright © 2007-2017 【大阪タワー☆忘れたい人】 all rights reserved.
全ての文章の無断複写複製を禁止します。
Powered by FC2ブログ. | Template by Gpapa.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。